【生活者意識調査】シニアは何歳から?

日本は世界でも類例を見ない「超高齢化社会」を迎え、その動向は今後、高齢化が進む各国から大きな注目を集めています。今後の日本の経済がどんな動きを示していくのかという点でも人口の約3割を占める65歳以上の方々の動きは大きな影響要素となっています。CCCマーケティング総合研究所では、2020年7月に5,000人を超える方を対象としたインターネット調査(以下、「2020年7月 シニアアンケート」と表記)を実施しました。

今回の調査では50歳以上の方を対象に、健康・家族・経済・食生活・・・など、様々なテーマについてご回答いただきました。
 

高齢者の自覚は年齢と共に上昇する

「シニア」は何歳からを指すのか?この問いは、シニアビジネスを行う上で重要なポイントです。流通企業のA社は55歳以上を対象にシニア戦略を描いていますが、メーカーのB社は65歳以上を対象としています。一口に「シニア」といっても企業の目線も様々なようです。今回、CCCマーケティング総合研究所では、「50歳以上」を対象として、アンケートを実施しました。アンケートの中で「高齢者」にあたる年齢について質問した結果が以下のグラフです。

■高齢にあたると思う年齢
シニア アクティブシニア 高齢者 自覚年齢

50歳代の男性は66歳ぐらいから、50歳代の女性は68歳ぐらいから高齢者にあたるとみていますが、ご自身の年齢が上昇するにつれ、高齢者にあたる年齢も上がっていくことが分かります。50歳代では高齢者になるのは「少し先のこと」と捉えられ、想起していた年齢に近づくにつれ、「もう少し先」と考えている様子がうかがわれます。

「自身を高齢者だと感じるか」については、別掲のグラフにようになっています。50歳代は、男女共に「よく感じる」、「たまに感じる」の割合が3割を下回っていますが、年齢上昇と共に「自身を高齢者だと感じる」割合は増え、男女共に75歳以上になると8割を超えるようになってきます。
 

■自身を高齢者だと感じるか
シニア アクティブシニア 高齢者 

シニアへの転換は「70歳」から

では、50歳代では「少し先のこと」と思っていた「高齢者」はいつ頃、自覚とのギャップがなくなっていくのでしょうか。2つのグラフをみると、70歳ぐらいがその境界年齢になっていると言えそうです。70歳になるまでは、高齢者は「少し先」の世界と捉えている方が多く、70歳ぐらいになると自身も高齢者であると自覚するようになるといった転換が進むようです。50歳以上を対象にした今回のアンケートでは「70歳」が様々な点で意識が転換するポイントになっている結果が見受けられました。シニアビジネスの文脈では、最近は「健康寿命」をもとに語ることが多くなっていますが、健康寿命が男性72歳、女性74歳であるという実態を踏まえると、シニアが「70歳」ぐらいを指すという今回のアンケート結果は、とても興味深いものとなりました。

 CCCマーケティング総合研究所では、今後もシニアの意識について、様々な角度から把握していこうと考えています。5年後、10年後、日本は更なる高齢化の進展が予想されています。健康寿命が延び、元気に過ごすシニアが増えるよう、私たちもアンケートを通じて、「シニア」の方々にとっての「ちょっといいな」を探究していきたいと思います。
 

【調査設計】
調査地域 :全国
調査対象者:男女・50~89歳
サンプル数:5121サンプル ※クリーニング後のサンプル数
調査期間 :2020年7月28日(火)~7月31日(金)
実査機関 :CCCマーケティング株式会社(Tアンケートによる実施)


【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:服部 / 杉浦         

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