この3年の生活変化とこの先の行動は

 2020年から広がりを見せた新型コロナウイルス感染症について、私たちは様々な感染症対策を行ってきましたが、2023年3月13日以降、マスクの着用は個人の判断に委ねられることになりました。日本に訪れる外国人も増加しつつあり、感染拡大前の生活が少しずつ戻ってきたと感じる生活者の方も多いのではないでしょうか。
 CCCマーケティング総研では、生活者の皆さまのこの3年の生活の中で「変わったこと、変わらないこと」を調査しました。この3年で変わったことはどんなことでしょうか。あるいは新しい発見はあったのでしょうか。調査結果を見ていきたいと思います。


「出かける場所」が大きく変化。物価高も行動変化に影響したか            
 
新型コロナウイルス感染症の流行以降のこの3年で、「時間」「労働環境」「お金」「場所」「遊び」「人付き合い」「食事」の生活に関する7つの項目について、変化があったかどうか尋ねました。図1のグラフでは、どの項目も半数近く、あるいはそれ以上の方が「変わった」(「大きく変わった」「少し変わった」の合計)と回答していることがわかります。
 特に「場所」は「大きく変わった」とする方が3割を超え、7つの項目の中では最も多くなっています。具体的な変化を自由回答で尋ねたところ「人混みを避けるようになった」「近場に行くことが増えた」との回答が多く見られました。
 その他の項目でも、「在宅時間の増加」(時間)、「テレワークの増加」(労働環境)、「節約」「出かけなくなったのでお金を使わなくなった」(お金)、「遊ぶ機会の減少」(遊び)、「人に会う機会の減少」(人付き合い)、「外食の減少」(食事)が変化として挙げられています。これらは新型コロナウイルスの感染防止のため、行動を制限したことが原因と考えられますが、物価高の影響もありそうです。


<図1>
コロナ マスク 旅行 外出 変化 

旅行、ライブ・フェス、温泉やサウナ・・・より活動的な1年に
 次に、行動別のこの1年の実施率とこの先1年の実施意向を見ていきましょう(図2)。
 この1年では新型コロナウイルスの感染対策を行いながら、外出を中心としたこれまでの生活との両立が進んできました。図1ではこの3年の食事の変化として外食の減少を挙げる方も多く見られましたが、「この1年の実施率」を見ると、外食は82.1%の方が実施しているという結果になっています。さらにこの先1年の実施意向を見るとほとんどの行動で増加しています。特に、「旅行・レジャー」「温浴(銭湯や温泉等)・サウナ」「ライブ・コンサート・フェス」ではこの先1年で大きく増加、「有料のセミナーや習い事」はこの1年の倍以上となっています。
 生活者がより積極的に活動する1年となりそうです。


<図2>
生活変化 調査 生活者 意識 ライブ


 

「家の中で実施」が根付いた行動は
 それでは、これらの実施意向が伸びた行動について、実施場所を詳しく見ていきましょう。
 図3では、この1年での実施場所とこの先1年での実施したい場所を、行動ごとに比較しています。
 「旅行・レジャー」の場所は、この先1年の意向として「その他の国内(近隣の都道府県以外)」「近隣の都道府県」が増加しています。「海外」も15%となりました。「家の中(オンライン・インターネット含む)」の回答はこの1年・この先1年ともにわずかとなっており、コロナ禍であっても家の中で体験できるバーチャルツアーはあまり浸透しなかったようです。
 一方「ライブ・コンサート・フェス」と「有料のセミナーや習い事」の場所は、この1年では「家の中(オンライン・インターネット含む)」と回答する方が最も多くなりました。新型コロナウイルス感染症の流行時、感染を懸念しコンサートやフェスは開催できず、講師と対面する習い事や会場でのセミナーも実施が困難となったことを背景に、オンライン化が進みました。コンサートやフェスはこの1年で会場での有観客の開催が増加しましたが、オンライン配信のコンサートも支持されたことがわかります。この先1年では「近隣の都道府県」が31.9%と最も多くなったものの「家の中」で観賞すると回答した方は23.9%となりました。見やすさや人混みを気にしないでよいといったオンラインならではの特徴を評価している生活者が、一定数存在するのでしょう。
 「有料のセミナーや習い事」はこの先1年であっても「家の中(オンライン・インターネット含む)」は40.6%となっています。教室への移動が不要といった受講のしやすさは生活者に適しているのかもしれません。


<図3>
オンライン 習い事 サウナ 旅行

 この3年の生活での変化として、「場所」が多く挙がりました。新型コロナウイルス感染症の流行時に、「家の中で体験できる」として増加していったネットを使ったサービスの中でも、定着しなかったもの、リアル体験が可能になっても支持されるものが分かれました。行動制限がある間の「代わり」でなく、生活者に適したものであれば選択肢の一つとして今後も利用されていくことでしょう。
 




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【調査概要】
調査地域:全国
調査対象者:男女16~79歳のT会員
有効回答数:2,582サンプル
調査期間:2023年3月3日(金)~2023年3月8日(水)
実査機関:CCCMKホールディングス株式会社
調査方法:インターネット調査(Tリサーチ)
 
本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。
 
【調査内容】
質問数:全11問
<質問項目(8問)>
・新型コロナウイルス感染症の流行が始まったこの3年(2020年以降)での変化
(項目:時間/労働環境/場所/遊び方/人付き合い/食事)
・この3年でのオンラインサービス等の経験
(項目:リモートワーク/オンライン会議/バーチャルツアー体験(有料・無料)/オンライン配信ライブ(有料・無料)/オンラインでの有料セミナー・習い事)
・この先1年でのオンラインサービス等の利用意向
(項目:同上)
・この1年での行動場所
(項目:食品・日用品の買い物/百貨店・デパートでの買い物/衣服・家電など専門店での買い物/友達と会う/運動/外食/旅行・レジャー/スポーツ観戦/ライブ・コンサート・フェス/温浴・サウナ/有料のセミナーや習い事)
・この先1年の各行動のコロナ前と比較した実施頻度
(項目:同上)
・この先1年での行動場所
(項目:同上)
・この3年でお金をかけなくなったもの、お金をかけるようになったもの、今後1年でお金をかけたいもの
・行動意識

<属性項目(3問)>
性別/年代、同居家族、職業

【集計内容】
・単純集計

・性年代別クロス集計

【注意事項】
・日本の性年代人口構成比に近い形で回収を行っています。
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。


【商品名/番号】
品名:「生活に関する調査」(2023年3月)
番号:22-020-002

【価格】
集計一式:12,000円(税別)

             
                                                                          


【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:杉浦・斎藤
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