CCCマーケティング総合研究所（以下、CCCマーケティング総研）では、20歳以上の方に「大人の学び・習い事」に関する調査を行いました。今回は新型コロナウイルスの流行が始まった2020年の調査に続く2回目の調査であり、当時と比べて新型コロナウイルスの状況も、習い事を取り巻く環境も変化しています。生活者の皆さまは現在、どのような習い事を、どのようなスタイルで学んでいるのでしょうか。調査結果をご紹介していきたいと思います。
　なお、ここでの「習い事」とは、料金を支払って受講するとものとし、オンライン講座・アプリでのコンテンツ提供講座・通信教育やセミナーやワークショップなど1回だけ開かれる講座も含むとします。

参考：2020年11月の調査結果コラム

「料理・食べ物・飲み物」の習い事人気が上昇                     　
　この1年（2022年1月～調査時の2022年12月）の習い事の経験率は36.7％となりました。3人に1人がいずれかの習い事を行ったということになります。
＜図１＞

 

それでは、どのような習い事をしているのか見てみましょう。図2のグラフでは、この1年で習い事を経験した方を対象に実施率を表しています。結果を見ると、「フィットネス、筋トレ」「スポーツ（ゴルフ、テニス、柔道など）」は20％を超えています。さらに「ヨガ・ピラティス」が続いており、運動系は人気の習い事ということがわかります。
　次に続くのは「英語・英会話」「ビジネス・キャリアアップ講座」といった学習系の習い事です。6番目には「料理・食べ物・飲み物（調理、栄養学など）」が続いています。
　ここで前回調査時の上位の習い事と比較してみましょう。前回調査では2020年4月～12月の8か月の習い事を聞いているためスコアは参考値となりますが、前回は「料理・食べ物・飲み物（調理、栄養学など）」が上位にはなく、今回の調査でランキング上位に上昇していました。
＜図２＞

　

運動系や音楽系は対面、学習系はオンラインや通信講座で受講
　以前から習い事には「対面式」のほかに「通信講座」で受講する方法もありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を機に「オンライン講座」も増加しました。どのような受講形式で学ぶことが多いのか、習い事別に見ていきましょう。
　対面式が多いものは、「フィットネス、筋トレ」「スポーツ（ゴルフ、テニス、柔道など）」「ヨガ・ピラティス」の運動系と「楽器（ピアノ、ギター、和太鼓など）」でした。「英語・英会話」「ビジネス・キャリアアップ講座」「ＩＴ系（パソコン・プログラミングなど）」では対面式が比較的低く、オンライン講座、オンライン通信講座、通信講座での受講が多くなっています。
「料理・食べ物・飲み物（調理、栄養学など）」については、「対面式」を半数以上が回答しているものの、通信講座が26.3%、オンライン通信講座が19.3%など対面式以外で受講している方も多く見られました。
＜図３＞

自分にとっての学びやすさや気軽さを重視。重視点は年代により違いも
　今後1～2年で習い事をしてみたい方に、スクールや学習サービスを選択する際の重視点を聞いたところ、トップは「自分のペースで学べる」（47.0％）でした。「気軽に始められ、気軽に辞められる」、「スケジュールなど続けやすいシステムになっている」も3割前後の回答があり、自分にとっていかに受講しやすいかが重視されていることがわかります。「料理・食べ物・飲み物（調理、栄養学など）」の受講者が今回の調査で上昇していましたが、対面式のほか、オンラインや通信講座でも受講していました。学びたい人に適した受講形式が用意されていたことが、受講者が増えた要因となったのかもしれません。
　上位には価格の安さやコストパフォーマンスの視点が挙げられたほか、「教室の雰囲気が自分に合っている」「自分の目標と教育内容や方針が合致する」といったスクールの運営方針も2割以上の方が重視点として回答しました。
＜図４＞

 

　最後に、これまでの多くの習い事がそうであった対面式スクールの特徴が、現在どれだけ重視されているか見てみましょう。「対面で指導を受けられる」は16.1％、「スクール施設など自宅以外の適した場所で学べる」は11.1％、「一緒に学ぶ仲間とコミュニケーションがとれる」では10.4％となっており、一定数の支持が得られています。さらに年代別に見ると重視度に差が見られました。図5では「一緒に学ぶ仲間とコミュニケーションがとれる」との回答を性年代別に見ており、女性70代では特に重視している様子がわかります。
＜図５＞

 

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