【定点調査】2022年は“何色”だった?~2022年総括調査~
コロナウイルス感染症の流行が始まったのは2020年のことでしたが、それにより私たちの生活にも大きく変化が起こりました。2021年には新型コロナウイルスの流行の中で東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。2022年の現在においても新型コロナは猛威を振るっていますが、旅行やイベントの再開など、以前の生活に戻るような動きが出てきています。
CCCマーケティング総研では、2020年より生活者の皆さまに今年1年を振り返って「色」で表してもらう調査を行っています。このような変化の多い時代において、生活者ご自身の生活、世の中、あるいは世界情勢を映し出す今年の「色」は何色だったのでしょうか。
“今年の色”はグレーがトップ。黒はやや増加
2022年を色で表すと、「グレー(灰色)」との回答が最も多くなりました。2020年、2021年の結果と比較すると、どの年代も「グレー(灰色)」が最も多い結果となっており、続く「黒」「赤」まで同じ順位となっています。回答された色の種類や比率を見ると、2021年と2022年は近い結果となっていますが、2020年はグレーや黒の割合が多いなど、この2年とは傾向が異なっています。2020年は新型コロナウイルスの流行により世の中や生活が一変したことがはっきりと色に示されたのかもしれません。
2022年は2021年と比較し、「黒」がやや増加しています。また、どちらも2020年にはない「水色」が含まれています。このような色が選ばれた背景には何があるのでしょうか。
<図1>
「ロシア軍のウクライナ侵攻」が今年の色に強く影響
2022年の社会や世の中を色で表した際、その色を選んだ原因となったものを見ていきましょう(図2)。
グレーから水色まで、スコアの大小はあるものの「ロシア軍のウクライナ侵攻」がどの色においてもトップとなりました。今年の出来事として、いかに印象が強かったかがわかります。
色ごとの特徴を見ていきましょう。「グレー(灰色)」は「ロシア軍のウクライナ侵攻」「新型コロナウイルス感染症の第6波・第7波での感染者数増加」「国際紛争のリスクの高まり/日本周辺地域のリスク拡大」 のほか、「モノやサービスの相次ぐ値上げ」が高いのが特徴的でした。「黒」は「国際紛争のリスクの高まり/日本周辺地域のリスク拡大」や「円安の進行」が全体より高くなっています。
「青」「水色」は「北京冬季オリンピック・パラリンピック開催」「サッカー・ワールドカップカタール大会の開催」を理由として挙げた方が約1割となりました。特に「水色」は「スポーツやコンサート・祭りなどのイベントの再開」「制限のない飲食店利用」も全体と比べて高く、「楽しい話題」を反映しているようです。
<図2>
世界を見ても身近な生活においても感じる不安
最後に、生活者が感じている世の中や自分の状況を見ていきましょう(図3)。
2021年と比較すると、2022年は「日本を取り巻く国際情勢は緊迫の度を増している」が16.7ポイント増加しています。また、「社会が良い方向に向かっている」はマイナス9.2ポイントとなっており、日ごろ耳にするニュースなどから生活者にとって国際情勢や社会への不安を実感する1年であったようです。「世の中に気がかりなことや不安なことが多い」「生活の中で気がかりなことや不安なことが多い」も今年は増加しており、世界情勢への不安から身近な生活不安まで、不安を感じることが多かったと考えられます。
一方で「生活の中で楽しいことが増えた」「世の中に楽しいことが増えた」が少しではありますが上昇しています。新型コロナウイルスの感染防止策は引き続き行われていますが、この1年で旅行やイベントなどが再開の動きがありました。これまで我慢していた「楽しみ」を実行した方も多かったのではないでしょうか。
「暮らし向き(暮らしの経済状態)が良くなった」はやや減少しており、生活に必要なあらゆるものが対象となった値上げの影響がじわじわと出てきていることが想像されます。しかし「好きなもの・こだわりのあるものにお金をかけるようになった」は昨年とあまり変わりませんでした。生活者は物価高の中で、節約対象とお金を使う対象によりメリハリを持たせた消費活動を行っているのかもしれません。
<図3>
2022年の「色」は、国際情勢から身近な生活まで、さまざまなところで感じる不安感が色に反映されるような結果でした。2023年はどんな年になるでしょうか。生活者の皆さまにとって気持ちが明るくなる話題や楽しいことの多い1年となることを願っています。
調査地域:全国
調査対象者:男女20~69歳のT会員
有効回答数:2,003サンプル
調査期間:2022年11月21日(月)~2022年11月28日(月)
質問数:全10問
<質問項目>
・今年(2022年)の社会や世の中について「色」に例えると
・今年(2022年)にあった出来事や現象、トレンドなどについて印象や記憶に残った/ご自身にとって良いことだった/ご自身にとって良くないことだったもの
・今年その色を選んだ理由や原因となった世の中のできごと
・暮らし向きや世の中について、昨年(2021年)と現在(2022年)の比較
・今年の色を選んだ理由や原因として関係が深いと思う生活の状況や心持ち
・来年(2023年)の社会や世の中はどのようになっていてほしいと思うか、「色」に例えると
・来年(2023年)中の実現や進展への期待度(「新型コロナウイルス感染症の収束」や「経済低迷からの回復」など8項目を聴取)
・2022年現在の社会課題の状況(「ジェンダー間の格差がある」「デジタル化が進んでいる」など17項目を聴取)
<属性項目>
性別/年代・同居家族
【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計
【注意事項】
・日本の性年代人口構成比に合わせて回収を行っています。
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。
【商品名/番号】
品名:2022年総括アンケート(2022年11月)
番号:22-015-002
【価格】
集計一式:12,000円(税別)
【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所
担当:杉浦・斎藤
[email protected]
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