目的を持って「音」を聞く
- 2022.09.02
- 生活者意識調査
今回のテーマは「音」です。
今や音を聞く手段は、CDやラジオから動画サイト、SNS、スマホアプリまでたくさんのものが存在します。聞く内容も音楽やトークのほかに、自然の音や生活音をあえて聞くこともあるでしょう。「音」を聞くための選択肢が多くある中で、生活者はどんな時にどんな「音」を聞いているのでしょうか。CCCマーケティング総研では、2022年7月28日(木)~8月3日(水)に全国のT会員の皆さまにアンケートを実施し、普段意識的に聞いている「音」について、聞いているシーンや目的をお伺いしました。
なお、今回の調査での「音」は、「音楽」「音声」「音」を対象としています。
聞きたいものを聞くだけではない、「音」への期待
最初に、「普段意識して聞いている音」を見ていきましょう(図1)。意識して音を聞くことが特にないと回答したのは11.9%で、9割近くの方は何らかの音を意識して聞いています。
聞いている音の種類では、「音楽」を聞いている方が多く、その中でも「動画サイトで音楽を鑑賞する(YouTubeなど)」が49.0%と半数近くとなりました。「音声」では、「ラジオでトークを聞く」が20.9%、「テレビをつけるが主に音声を聞く」という方も17.3%存在します。
音楽やトークだけではなく、自然の音や生活音も意識して聞かれています。「雨の降る音、鳥の声、波の音など自然の音」は18.7%の方が聞いているという結果になりました。
音を聞く目的(図2)は「聞きたい音楽や音声などを聞くため」が45.0%でトップですが、「リラックスするため」(41.9%)、「気分転換/リフレッシュするため」(38.6%)など気持ちに働きかけるものにも回答が集まりました。「作業を進めやすくするため」も17.4%の方が回答しています。音を聞く目的は、聞きたいものを聞くことが主目的となるほか、気持ちへの作用など機能的な面も期待しているということが明らかになりました。
それでは音をどんな場面で聞いているのでしょうか。音を意識して聞くことがあるシーン(図3)は、「運転中」(54.7%)、「息抜きをするとき」(54.2%)、「自由に使える時間」(53.7%)の3つについて半数以上の方が回答しています。「仕事中」「勉強中」といった集中力が必要な時にも2割前後の方が「音を聞くことがある」と回答しました。さまざまなシーンの回答がありましたが、シーンごとに聞く音の種類や聞く目的には違いがあるのかもしれません。
聞きたいものは自由時間と運転時に。目的に応じて「音」を活用しているケースもみられる
最後に、音を聞く目的をシーン別に比較してみましょう。
「聞きたい音楽や音声などを聞くため」は「自由に使える時間」(29.2%)、「運転中」(28.6%)が高くなりました。この2つは音を聞くシーンとしても半数以上の方が回答しています。多くの生活者が自由時間や運転時に自分の聞きたい音を楽しんでいると言えるでしょう。
「気分転換/リフレッシュするため」では「息抜きをするとき」「自由に使える時間」「コーヒーやお茶を楽しむとき」といったまさに気分転換をするタイミングで音も聞いている方が多くなっています。また、「職場や学校に行くとき」「職場や学校から帰るとき」を比較すると、「帰るとき」の方が気分転換/リフレッシュを目的として音を聞いている割合が高くなっており、仕事や勉強からプライベートに戻る際の切り替えとして音が使われているのかもしれません。
「テンション(気分)を上げるため」では、「スポーツや散歩をするとき」「職場や学校に行くとき」「家事をするとき」で2割を超えています。これから頑張るぞ、というときに音を伴うことで気合が入り、気持ちよくスタートしているのでしょう。
アンケート結果からは、「音」は自分が楽しむために聞きたいものを聞くだけではなく、シーンや目的に応じて「音」に期待するものがあるということがわかりました。音楽やトークなど、さまざまな音を聞く環境が整い、「音」を生活に取り入れ仕事や勉強の効率を上げたり、気分転換をするなど上手に活用されています。このような生活者の「音」の利用シーンの中に、マーケティングへのヒントが隠れていそうです。
調査地域:全国
調査対象者:男女16~69歳のT会員
有効回答数:2,308サンプル
調査期間:2022年7月28日(木)~2022年8月3日(水)
質問数:全8問
質問項目
・普段聞いている音楽・音声・音
・音楽・音声・音を聞く目的
・(目的ごと)聞いている音の種類
・(シーンごと)聞いている音の種類
・(シーンごと)音楽・音声・音を聞く目的
・1日のうち音楽・音声・音を聞いている時間(平日/休日)
・1か月で音楽・音声・音を聞くために支払う金額
・音に対する意識と行動
属性項目(性別・年代・同居家族・職業)
【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計
【注意事項】
・単純集計は日本の性年代人口構成比に合わせて調整しています。
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。
【商品名/番号】
品名:音に関する調査(2022年7月)
番号:22-007-002
【価格】
集計一式:12,000円(税別)
【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所
担当:杉浦・斎藤
[email protected]