今後の海外旅行は「リラックス」と「子どもの海外体験」がキーワード
- 2022.01.28
- 生活者意識調査
新型コロナウイルスの影響で、旅行という楽しみが私たちの生活から遠ざかってしまいました。海外旅行は行先の入国制限などもあり、いつから行けるようになるのか気にしている方も多いのではないでしょうか。CCCマーケティング総研では、新型コロナウイルスの影響がない2015年~2019年の5年間に1回以上海外旅行へ行った1,550人の皆さまに、海外旅行への思いについてアンケートを行いました。新型コロナウイルスは、生活者の海外旅行に対する意識にも影響を与えたのか、見ていきましょう。
早く海外旅行へ行きたいのは男性や海外旅行頻度の高い人
最初に、新型コロナウイルスの影響が落ち着いてきたら、海外旅行に行きたいと思っている時期を見ていきましょう(図1)。全体では「2022年」「2023年」「2024年」「2025年以降」と分かれる結果となっており、見通しはさまざまであることがわかります。
早い時期に行きたいと考えているのはどのような人でしょうか。性別では「男性」、年代では「50代」、「5年間の海外旅行回数が4回以上」の旅行頻度が高い人で、今年(2022年)行きたいと回答した割合が3割前後となっています。「5年間の海外旅行回数が4回以上」はほぼ毎年渡航していたということですから、多くの方が2年間海外旅行へ行っていないとするなら、チャンスがあれば今年こそ旅行したいと考えるのもうなずけます。
また、「自分は行きたいと思わない」が全体で7%ほどいます。年代では「30代」と「70代」、「5年間の海外旅行回数が1回」の旅行頻度が低い人でそれぞれ約1割が回答しています。海外旅行経験者でも「行きたいと思わない」という回答が出ていることについては、新型コロナウイルスの影響で本当は行きたい気持ちがあってもあきらめていることが想像できますが、しばらく海外に行っていない間に海外旅行そのものへの興味を失ってしまったとしたら残念というほかありません。
これからの海外旅行に求めることは
それでは、海外旅行に求める要素や目的を見ていきましょう。図2ではコロナ禍以前の5年間の旅行で求めたものと今後求めたい要素・目的を比較しています。一部の項目においてスコアの変化が見られるものの、30%以上の回答となった項目は双方共通しており、全体傾向としては「以前のように旅をしたい」という思いがあるようです。
変化のあったところとしては、「ゆったりとリラックスするため」が9.3ポイント、「日常のストレスから離れるため」が6.6ポイント上昇。また、「子どもにさまざまな経験をさせるため」も5.4ポイント増加しています。
ここで男女別、旅行頻度別でも旅行目的の変化を比較していきましょう。表1では要素や目的についてそれぞれ上位5位までを表示しています。女性では「家族/パートナー/友人と充実した時間を過ごすため」よりも「ゆったりとリラックスするため」を重視するようになっています。また、旅行頻度が低い人も「ゆったりとリラックスするため」が上位に来ています。ときどきしか行かない海外旅行だからと観光やイベントで予定をぎっしり詰め込んでアクティブな旅行をしていた方も、今後はゆったりと時間を過ごす旅に変わるのかもしれません。
図3は、今後の海外旅行の同行人数を2015年~2019年の海外旅行で最も多いパターンだった同行人数別に集計した結果です。2019年までの旅行パターンとして最も多いのは「2人」で、多くの場合が1人~4人での旅行となっています。
今後について人数の変化を見てみると、「これまで2人」で旅行していた方は77.9%が今後も「2人(変化なし)」と回答、17.4%が今後「増やす」と回答しています。一方でこれまでが3人以上の場合では「増やす」よりも「減らす」の方が多くなっています。
少ない人数での旅行は、新型コロナウイルスの対策の意味も十分にありそうですが、ここまで見てきた旅行の要素・目的の変化とあわせて考えると、今後の海外旅行は家族や友人と楽しむことよりも、自分がゆっくりとリラックスして過ごすことを優先しようとしているようにも思えます。また、「子どもにさまざまな経験をさせるため」も目的として上昇していたことから、同行人数が増加するケースとして子どもを連れての海外旅行が想定されます。新型コロナウイルスが落ち着いた後の海外旅行は、「リラックス」と「子どもの海外体験」がキーワードとなりそうです。
今後行きたい場所にも変化が
最後に、これまでの5年間の旅行先と今後行きたい旅行先を見ていきましょう(図4)。新型コロナウイルスが流行する前の5年間(2015年~2019年)にプライベートの海外旅行で訪れた先は、台湾(27.4%)、ハワイ(24.2%)、韓国(20.6%)の順でした。今後行きたい場所は、ハワイ(48.7%)、台湾(30.6%)、イタリア(29.2%)がトップ3となりました。ハワイはなんと半数近くの方が回答しています。過去5年で旅行した方も多い人気の場所ですが、「リラックスするための旅行先」としてのイメージがぴったりだったのかもしれません。また、オーストラリアや北欧、ニュージーランドはコロナ禍前の5年間の旅行先としては順位が低かったものの、「行きたい場所」としては上位に上がってきています。
海外旅行はしばらく我慢の期間が続きそうですが、すでに旅行時期をにらんで旅先の情報収集を始めている方もいらっしゃるでしょう。自分がリフレッシュするための旅行、新しい何かに出会うための旅行、家族で楽しむ旅行・・・目的や形はさまざまですが、久しぶりに行く海外旅行ではこれまでとは違う思い出ができるに違いありません。今は旅先を思いながら安心して海外旅行を楽しめる将来を待ちましょう。
【調査設計】
調査地域:全国
調査対象者:20歳~79歳の男女 ※2015年~2019年に海外旅行あり かつ旅行先や内容の決定に関与する方を対象とした。
サンプル数:1,550サンプル
調査期間 :2022年1月6日(木)~1月9日(日)
調査の集計表を販売しております。詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。
【調査内容】
質問数:全10問
質問項目:
・2015年から2019年の5年間にプライベート(旅行)で訪れた場所、今後プライベート(旅行)で行きたいと思っている場所(複数回答)
・場所選択の際に新型コロナウイルス感染症についてどの程度考慮したか
・コロナ影響の具体的な内容(複数回答)
・2015年から2019年の5年間に、プライベート(旅行)で渡航した際の同行人数、今後最も行きたいと思っている同行人数
・2015年から2019年の5年間に、プライベート(旅行)で訪れた際に求めた要素・目的、今後求めたい要素・目的(複数回答)
・この先海外旅行に行きたいと思っている時期、世間一般に普通に海外旅行に行けるようになりそうな時期
・海外旅行に行きたいと思わない、行くのはかなり先の時期と回答した理由(複数回答)
・この先、海外旅行先を検討する際に考慮すること
・海外のバーチャルツアーの利用経験(有料のもの/無料のもの)
・バーチャルツアーを利用してみて感じたこと(複数回答)
【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計、旅行頻度別クロス集計
【注意事項】
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。
【商品名/番号】
品名:海外旅行に関する調査(2022年1月)
番号:21-017-002
【価格】
集計一式:12,000円(税別)
【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所
担当:杉浦・斎藤
[email protected]