【生活者意識調査】外食には行きたいけれど・・・

with コロナ時代の外食の在り方とは?
~生活者アンケートから見える外食店に望まれること~

約6割は感染症拡大前より外食機会は減らす

 外食産業は新型コロナウイルス感染症の拡大によって、大きなダメージを受けている産業の一つです。
 CCCMK総研では、コロナウイルス感染症拡大を受けて、生活者の外食に対する意識がどう変化しているのか注目し、全国の18歳~70代の男女、計2412名を対象に独自調査を実施しました。
 約4割が新型コロナウイル感染症拡大前の水準、もしくはそれ以上まで外食機会を増やすと回答しています。つまり当面、外食機会を減らすという層は約6割にも上り、外食産業を取り巻く環境は大変厳しい状況がうかがわれます。

CCCMK総研 「withコロナにおける外食に対する生活者の意識調査」より

帝国データバンクの発表によると、今年上半期の飲食店の倒産件数は398件で、上半期としては過去最多の件数となりました。
 業態別の倒産件数をみると、「酒場・ビヤホール」、「中華・東洋料理店」、「日本料理店」、「バー・キャバレーなど」、「すし店」、「そば・うどん店」、「料亭」といった業態では上半期のペースのまま推移すると、年間倒産件数は前年を上回る可能性があり、中でも「酒場・ビヤホール」、「中華・東洋料理店」、「日本料理店」の3業態については、過去最多の倒産件数に上る可能性があるそうです。
 多くの飲食店は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言によって、休業したり、時短営業を余儀なくされたり、大変厳しい環境が続きましたが、緊急事態宣言の解除後も、残念ながら、以前のように同程度、外食機会を持とうという層は広がっていません。

飲食店の倒産動向調査(2020年上期)」 帝国データバンク調べ

アクリル板設置よりも換気重視

 外食店の多くは、安心・安全に食事をしてもらおうと、様々な工夫を試みています。席数を減らす、席と席の間にアクリル板を置く、メニューブックをやめて携帯などで読み込んでもらう、など、各店、工夫を凝らして、お客様の利用促進につながるよう努めています。チェーン店の多くは安心・安全に対する取り組みを進め、席数の間引きなど、営業面でのマイナスを受容した上で、お客様の不安解消に努めているところが目立っています。
 こうしたお店の様々な工夫に対して、生活者はどのように考えているのでしょうか?
 最も、お店側に対応をしてほしいと考えている項目は「お店の換気を十分に行う」で70.5%もの回答がありました。以下、「トイレを利用した際は手の消毒を徹底する(57.6%)」、「スタッフは出勤時に健康チェックを行う(55.3%)」、「来店客に入口で手指の消毒を求める(55.2%)」、「スタッフはマスク着用を義務化する(52.7%)」が続いており、生活者の衛生意識の高まりが感じられる結果となりました。
 「テーブルにアクリル板を使用してセパレートにする」は26.5%にとどまっており、生活者の意識と飲食店の工夫にズレが生じているようです。

外食産業は人々のレジャーの受け皿として発達し、拡大してきました。コロナウイルス感染症拡大前は、外食産業は日常の一部となっていましたが、状況は一変し、私たちの生活における「外食」は利用機会が大幅に減少しています。しかし、外食に求める「楽しさ」や「家ではなかなか食べられないものが味わえる」といった価値は普遍的なものです。1日も早く新型コロナウイルス感染症が収束し、また、外食を楽しむ日常が戻ってきてほしいものです。